十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年10月号

特集/そばのおいしい季節です

Chai法律相談(184)「相続人がいない人が所有する財産は、死亡した後どうなる?」

【質問】
 高齢になってきたので、最近「終活」として私が死んだ後、財産をどうするか考えるようになりました。ただ、私は独身で両親、兄ともに既に亡くなっています。子もいないので法定相続人に当たる人がいません。この場合、私が死亡すると財産はどうなるのでしょうか。

【回答】
債務の弁済に充てられた後、国に納められることになります。

 人が死亡すると、その人(被相続人)が所有していた財産は相続により、相続人が承継することになります。しかし、相続人がいない場合は法律上、相続財産は被相続人の債務の弁済に充てます。残余がある場合は、最終的に国庫に帰属する、すなわち国に納められることになります。

 具体的には、被相続人にお金を貸していた人が、相続財産からお金を返してほしいが、被相続人に相続人がいない場合は、家庭裁判所に対し、相続財産清算人の選任を申し立てます。相続財産清算人は、相続財産を管理し、被相続人の債務がある場合には相続財産から弁済し、残余がある場合には、国に納める手続きをとります。なお、被相続人の療養看護に努めたなど特別の縁故があった人は、家庭裁判所に対し債務の弁済後の残余財産の分与を請求することもできます。

 ただ、特別縁故者に家庭裁判所への請求手続きをとらせることは労力や費用をかけることになります。もしお世話になった人がいる場合は、遺言書を作成して財産を贈与する方が良いかもしれません。詳しくは、弁護士などの専門家にご相談ください。

今回の回答にご協力いただいたのは
[村山敬樹 弁護士]

事務所/むらやま法律事務所
    帯広市西2条南6丁目20-7(フレンド2・6 2F)
Tel:0155・67・7821


※質問・回答はChai編集室の責任でまとめています。

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Chai法律相談
十勝管内の弁護士が法的トラブルについて答えてくれるChaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2024年4月号より。